戸籍の取り寄せQ&A
戸籍の取り寄せについてこのようなことで困っていませんか?
Q1.そもそも戸籍はなんのためにあるのですか?
A1.戸籍は、本人の存在の証明のために必要となります。戸籍の記載によって、誰を親としてどういう名前の人間が生まれ、日本人として存在しているということが証明できます。
Q2.戸籍にはどういうことが載っているのですか?
A2.戸籍には以下の8項目が載っています。
- 氏名
- 出生の年月日
- 戸籍に入った原因及び年月日
- 実父母の氏名及び実父母との続柄
- 養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
- 夫婦については、夫又は妻である旨
- 他の戸籍から入った者については、その戸籍の表示
- その他法務省令で定める事項
Q3.戸籍はどこに行けば取れるのですか?
A3.戸籍は、本籍地の市区町村役場で取れます。部課の名称は役所によって違いますが、「戸籍の係」と言ってたずねてもらえばわかります。
Q4.他人の戸籍でも取れるのですか?
A4.他人の戸籍は正当な理由がなければとることができません。司法書士・行政書士などは事件や事務処理を依頼されれば、正当な理由があるとして職権で他人の戸籍も取ることができます。一般の方も、たとえば債権回収のために相続人をさがすなど、正当な理由がある場合は同じく請求することができますが、そのことを立証する資料を提示しなければなりません。
Q5.戸籍はどんなときに利用されるのですか?
A5.相続手続全般で必要となりますが、代表的なものとして下記のものがあります。
- 不動産の名義変更
- 預貯金口座の名義変更
- 相続放棄
- 遺言執行
- 生命保険手続
Q6.戸籍を「さかのぼる」とはどういうことですか?
A6.相続が起きると、まずは誰が法律上の相続人かを確定させる必要があります。しかし、現在の戸籍を見ただけでは相続人を確定できないので、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せ、隠し子などがいないことを確認する必要があります。相続人を確定させるために、死亡から出生時点まで戸籍を巻き戻して取っていく作業が「さかのぼる」という意味になります。
Q7.戸籍の附票とは何ですか?
A7.戸籍には本籍は記載されていますが住所が記載されておりません。そこで、本人の住所の移り変わりがわかる附票が戸籍には付けられています。つまり、戸籍に付いた住民票というイメージで宜しいかと思います。戸籍と同じ窓口で取れます。
Q8.転籍とは何ですか?
A8.本籍地を移動することを転籍といいます。戸籍は、その本籍地の市区町村が管理しています。通常、生まれると親の戸籍に入りますので、子どもの本籍地は親のそれと同じです。しかし、本籍地はいったん決まったら一生変えられないものではなく、日本国の領土であれば、どこでも好きな場所を本籍地として自由に選ぶことができます。このように、本籍地を移動することを転籍といい、富士山山頂でも本籍地にできます。ただし、本籍地をあまり遠くにすると、戸籍謄本の取り寄せが面倒になります。
Q9.分籍とは何ですか?
A9.分籍とは、在籍する戸籍から分離独立して、新しく単独の戸籍を作ることです。戸籍筆頭者およびその配偶者以外の人で、成人であれば自由に分籍できます。具体的にいうと、成人した子どもは、結婚しなくても親の戸籍を出て、自分一人の戸籍が作れるということです。分籍の際、本籍地を好きな場所に変えることもできます。ただし、未成年者は分籍できません。
Q10.結婚すると戸籍はどうなりますか?
A10.結婚すると新しく夫婦の戸籍が作られます。戸籍は、夫婦とその間に生まれた夫婦と同じ姓を名乗る子(養子を含む)ごとに作られています。やがて、子が結婚すると、その子は親の戸籍から独立し、結婚相手と新しく夫婦の戸籍を作ります(新戸籍の編製という。それぞれの親の戸籍からは除籍される)。
Q11.離婚すると戸籍はどうなりますか?
A11.離婚すると筆頭者でない夫または妻は夫婦の戸籍から除籍されます。ただし、除籍できるのは、法律上の離婚が成立している場合で、そのためには、夫婦の本籍地または住所地の市区町村に、夫と妻、成人の証人2人が署名押印した離婚届を出さなければなりません。
Q12.夫の戸籍から出た妻の戸籍はどうなりますか?
A12.原則は、離婚すると、筆頭者でない妻(または夫)は夫婦の戸籍から除籍され、結婚前の戸籍に戻る(復籍)ことになっています。もっとも、結婚で除籍された名欄(×で消された欄)や身分欄が復活するというわけではなく、復籍者は前の戸籍の末尾に再度入籍されます。ただし、前の戸籍がすでに除籍簿に入っていたり、本人が新戸籍を望んだときは、前の戸籍に戻らず、妻を筆頭者とした新戸籍が作られることになります。
Q13.子どもが生まれると戸籍はどうなりますか?
A13.夫婦の間に子が生まれると、その子は法律上、嫡出子としての身分を取得し、夫婦の戸籍に入ります(法律婚以外の男女間の子は母親の戸籍に入ります)。父または母は、子が生まれてから14日以内(海外で生まれたときは3か月以内)に、出生地や本籍地の市区町村に出生届を出さないといけません。出生届が受理されると、夫婦の戸籍の末尾に子の欄が設けられ、子の名や生年月日、両親名や続柄の他、身分事項欄には出生日、出生地、届出日、届出人などが書かれます。
Q14.離婚する夫婦に未成年の子がいると戸籍はどうなりますか?
A14.まず、夫婦は離婚すると、筆頭者でない妻(または夫)は夫婦の戸籍から除籍され、前の戸籍に戻る(復籍)か、新しい戸籍に移ります。しかし、夫婦に未成年の子がいて、妻を親権者と定めても、子は夫の戸籍に残ったままとなります。その子の戸籍を母である妻の戸籍に移すには、まず家庭裁判所に子の氏の変更許可の審判を申し立て、裁判所の許可をもらわなければなりません。その許可が下りたら、入籍届に審判所の謄本を付けて、住所地または本籍地の市区町村に届け出て、受理されれば子は夫の籍から除籍され、妻の戸籍に入ることができます。
Q15.養子をもらうと戸籍はどうなりますか?
A15.養子は養親の姓を名乗って養親の戸籍に入ります。血のつながりのない親(養親)と子(養子)に、法律上の親子関係を認めようという制度が養子制度です。養子縁組に合意した養親と養子が、市区町村に養子縁組届を出し受理されると、養子は養親の戸籍に入り、実親の戸籍から除籍されます(法律上の親子関係が成立)。ただし、養子と実親の法律上の親子関係も切れません。
Q16.死亡したら戸籍はどうなりますか?
A16.亡くなられた方は戸籍から除籍されます。ただし、亡くなられた方が筆頭者の場合、他に在籍者がいても、その戸籍の筆頭者は変わらず、亡くなられた方のままです。なお、在籍者全員が除籍されると、その戸籍自体が除籍され(消除という)、戸籍簿から除籍簿に移されます。