相続登記以外に必要になるかもしれない登記手続
相続が発生すると不動産の所有者の名義を変更する相続登記以外にも、相続に関連するいくつかの登記手続があります。
1.住所変更登記
不動産の共有者の住所に変更があった場合の登記です
亡くなられた方と不動産を共有していた相続人の住所に変更があった場合は、相続登記とあわせて住所変更の登記を申請することをおすすめします。登記簿上の住所は、住民票の転出届や転入届を提出したからといって自動的に変更されるわけではありません。登記簿上の住所を現状に合致させるためには、住所変更の登記を申請する必要があるのです。
申請は住所変更があった者の単独申請で可能です
住所変更登記の申請は、住所に変更があった者の単独申請で行います。申請書への捺印も認印で構いません。
亡くなられた方の住所についての住所変更登記は不要です
亡くなられた方の登記簿上の住所が、最後の住所と違っても、住所変更の登記は必要ありません。相続登記を申請する際に、住所のつながりを証する書面を提出することで足りるのです。
変更登記には、変更を証する書面が必要です
住所変更の登記を申請する際には、登記の原因を証明する情報(登記原因証明情報)として、住所変更の経緯を証する書面が必要になります。具体的には、住民票の写しや戸籍の附票の写しなど、住所変更の履歴が載ったものが該当します。
2.氏名変更登記
不動産の共有者の氏名に変更があった場合の登記です
亡くなられた方と不動産を共有していた相続人の氏名に変更があった場合は、相続登記とあわせて氏名変更の登記を申請することをおすすめします。登記簿上の氏名は、婚姻届や離婚届などを提出したからといって自動的に変更されるわけではありません。登記簿上の氏名を現状に合致させるためには、氏名変更の登記を申請する必要があるのです。
申請は氏名変更があった者の単独申請で可能です
氏名変更登記の申請は、氏名に変更があった者の単独申請で行います。申請書への捺印も認印で構いません。
亡くなられた方の氏名についての氏名変更登記は不要です
亡くなられた方の登記簿上の氏名が、最後の氏名と違っても、氏名変更の登記は必要ありません。相続登記を申請する際に、氏名の変更を証する書面を提出することで足りるのです。
変更登記には、変更を証する書面が必要です
氏名変更の登記を申請する際には、登記の原因を証明する情報(登記原因証明情報)として、氏名変更の経緯を証する書面が必要になります。具体的には、戸籍謄本や除籍(改製原戸籍)謄本、住民票の写しなど、氏名変更の経緯及び登記簿上の人物との同一性が確認できるものが該当します。
3.抵当権抹消登記
亡くなられた後に抵当権が消滅した場合
不動産の所有者が亡くなられた後に抵当権が消滅した場合は、まず相続登記を申請してから、抵当権抹消登記を申請することになります。
相続登記と抵当権抹消登記は連件(1件目に相続登記、2件目に抵当権抹消登記)で併せて申請することもできます。
所有権の登記名義人と抵当権者の共同申請
抵当権抹消登記は、所有権登記名義人(相続人)と、抵当権者(金融機関など)の共同申請で行います。
抵当権抹消登記の添付書類
抵当権抹消登記の添付情報は、原則として、登記原因証明情報、登記済証または登記識別情報、代理権限証明情報、資格証明情報です。
登記原因証明情報は、抵当権者である金融機関などから発行される解除証書や弁済証書などが該当します。いつ、どのような原因で抵当権が抹消されたかどうかを証する書類です。
登記済証または登記識別情報は、もともとその抵当権を設定した際に発行されたもので、抵当権者が保管している書類です。
代理権限証明情報は、代理人が申請する際に必要になる委任状です。
資格証明情報は、申請人が法人である場合に添付が必要です。その法人の代表者事項証明書などが該当します。なお、資格証明情報は3か月以内に発行されたものであることが必要です。
金融機関が抵当権者の場合
抵当権は、銀行などの金融機関が抵当権者となっている場合が多くを占めていると思います。住宅ローンを完済した場合など、抵当権を抹消することになった場合は、一般的に金融機関から発行されるもの一式(解除証書、登記済証、委任状、代表者事項証明書など)が、所有権の登記名義人に渡されます。
この場合、所有権の登記名義人が、抵当権者から委任を受け権利者兼義務者代理人という形で登記を申請することができます。
亡くなる前に抵当権が既に消滅していた場合
亡くなられた後に抵当権が消滅した場合と同じように、相続登記を申請してから、抵当権抹消登記を申請することができます。
また、(相続登記を申請しないで)、相続人と抵当権者の申請で、抵当権抹消登記を申請することもできます。この場合は、相続が開始したことや、所有者の相続人であることを証する書面を添付して登記を申請する必要があります。
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相続登記は、不動産が高価な財産ということもあり、手続きが非常に複雑となっております。法律を把握した上で戸籍を正確に読みとき、1文字の誤字・脱字も出さずに書類を作り上げる必要があるなど、一生に数回あるかないかの手続にもかかわらず専門的な能力が求められます。
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