不動産名義変更のご相談
お済みですか?不動産の名義変更
不動産の名義変更Q&A 5
Q7.不動産の名義変更をお願いする際に何を用意すればよいでしょうか?
A7.お手元にすでに戸籍等をお持ちであれば、持ってお越しください。まだ何も取られていなければ、固定資産税の納税通知書(市区町村から送られてくるもの)のみ持ってお越しください。お手元に何もなければ手ぶらでお越しください。
Q8.不動産の名義変更をずっと放置していたが、今さらお願いすることも可能ですか?
A8.可能です。よく、今さら名義を変えるととんでもない罰金がくるのではないかと思われている方がいらっしゃいますが、ずっと放っておいても罰金は発生しません。
ただし、時間とともに相続人、必要書類、時間、手続費用などが膨れ上がっていき、不動産の名義変更が困難になりかねないので、早めの対策をお願いします。
昭和の初期に亡くなられた方の名義を現在まで放っておかれたケースでも、無事に名義変更できております。
Q9.相続人の中に行方不明の者がいる場合はどうしたらよいでしょうか?
A9.不在者財産管理人の選任の申立てを家庭裁判所に行い、選任された不在者財産管理人と遺産分割協議を行います。
不在者財産管理人の選任の申立て
1.不在者財産管理人の選任
音信不通の相続人の調査をしても相続人がどこにいるのか分からない場合、遺産分割協議を進めるためには、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立てを行います。
不在者財産管理人は、不在者の財産の管理、保存が本来業務ですが、家庭裁判所の許可を得た上で、不在者に代わって遺産分割協議を行うこともできます。
不在者財産管理人選任の申立ては、不在者の従来の住所地または居所地の家庭裁判所に対して行います。申立てができる人は、利害関係人(不在者の配偶者、相続人に当たる者、債権者など)と検察官です。申立ての際に不在者財産管理人候補者名を記載することができますが、必ずしも裁判所がこれに拘束されるわけではありません。
なお、不在者財産管理人は親族でもなることができますが、遺産分割協議に加わる関係上、通常は相続人が不在者財産管理人になることはできません。
また、不在者財産管理人の職務は、遺産分割協議が整っても終わりとはなりません。不在者が現れたとき、不在者の失踪宣告がされたとき、不在者の死亡が確認されたときなどの事情が生じるまで、不在者財産管理人の職務は続くことになります。
2.注意点
音信不通の相続人に財産を渡す必要はないようにも思われますが、不在者財産管理人は不在者の利益を損なうことはできないので、法定相続分を確保することが原則となります。したがって、例えば不在者の相続分をゼロとするような遺産分割協議を行うことはできません。
失踪宣告制度の利用
なお、行方不明の期間が7年を超えている場合など、失踪宣告の要件を満たす場合には、行方不明の相続人について失踪宣告の申立てを行うことで、同人が亡くなったものとして遺産分割協議を行うこともできます。
もっとも、失踪宣告がされると、その者は死亡したものとみなされるため、親族の心情として申立てに踏み切れないこともあります。
そのような場合に、失踪宣告の要件を満たしていたとしても、あえてこれを行わず、不在者財産管理人の選任申立ての手段を選択することは許されます。
Q10.相続人の中に認知症や精神障害で判断能力を欠く者がいる場合は?
A10.精神上の障害により判断能力を欠く者は遺産分割協議ができませんので、その者の保護を図るため、法的に正式な代理人を定めなくてはなりません。家庭裁判所に成年後見人の選任の申立てを行い、裁判所から選任された成年後見人と遺産分割協議を行う必要があります。
判断能力を欠く相続人がいる場合
遺産分割協議をする場合には、協議をする相続人に判断能力が備わっていることが大前提となります。例えば、精神上の障害が生じ、自分では日常的な買い物もできず、誰かに代わってやってもらうことが常態である場合であれば、自分自身では遺産分割協議をすることができませんので、家庭裁判所に後見開始の審判の申立てを行い、その者の成年後見人を選任してもらう必要があります。
成年後見人の選任
1.後見開始の審判
後見開始の審判とは、精神上の障害により判断能力を欠く常況にある者を保護するために、家庭裁判所が成年後見人を選任する手続です。選任された成年後見人は、本人の財産を管理しつつ、本人に代わって遺産分割協議を成立させることができます。
なお、後見が開始すると、本人は、単独で有効な法律行為ができなくなるほか、印鑑登録が抹消されます。
2.申立ての方法
後見開始の審判の申立ては、本人の住所地の家庭裁判所にします。本人のほか、配偶者や四親等内の親族等が申立てをすることができます、
申立書に加え、本人の戸籍謄本(全部事項証明書)や財産に関する資料などのほか、家庭裁判所が定める様式の本人の診断書を提出します。診断書の書式は、申立てをする家庭裁判所によって異なる場合があるので、注意が必要です。
3.成年後見人が選任されるまでの流れ
申立てを受理した家庭裁判所は、申立人や成年後見人候補者と面談をして、申立てに至った経緯などを聴取したり、医学的な判定を受けるために鑑定手続を求めるなどして、本人の状態を把握し、成年後見人に適任であるかどうかを審理します。
申立書には成年後見人候補者を記載できますが、家庭裁判所はこれに拘束されるものではなく、(1)本人の心身の状態や生活、財産の状況、(2)候補者の職業や経歴、(3)候補者と本人との利害関係の有無、および(4)本人の意向などを確認した上で、その候補者が本人の成年後見人となるにふさわしいかどうかを総合的に判断することになります。
成年後見人になる者は親族に限られず、弁護士や司法書士・行政書士、社会福祉士などの専門家が選任されることもあります。なお、成年後見人が相続人の立場となった場合は、遺産分割の場面では利益相反となるので、成年後見人に特別代理人を選任することを家庭裁判所へ請求します。
4.成年後見人の職務
成年後見人は、本人の意思を尊重し、かつ、本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、預貯金に関する手続や介護に関する契約の締結などの法律行為を行い、本人の財産管理をします。
このような成年後見人の職務は、通常、本人が亡くなるか、能力が回復するまで続きます。たとえ遺産分割協議のために後見開始の審判の申立てをし、その相続手続が終わったとしても、成年後見人の仕事は終わりません。
5.遺産分割時の注意点
成年後見人は本人の利益を損なうことはできないので、遺産分割協議に当たっても、法定相続分を確保することが原則となります。したがって、例えば本人の相続分をゼロとするような遺産分割協議を行うことはできません。
不動産名義変更の関連Q&A
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